「仮想通貨×音声メディア:Voicyで仮想通貨チャンネルを運営する」(Crypto Stories vol.1)

「仮想通貨×音声メディア:Voicyで仮想通貨チャンネルを運営する」(Crypto Stories vol.1)

更新:

今回は、COIN JINJA編集部がVoicyで「仮想通貨・ICOについての議論」という番組を放送されている、北爪聖也さん、のがっちさんにインタビューを行いました。

少し背景を説明すると、Voicyというのは、最近注目されている音声メディアで、著名人がラジオのような形式で配信を行うスマホアプリです。 各章が10分毎に切らているが特徴で、例えば、歩きスマホが出来ない電車の乗り換え時間なんかでもコンテンツ消費出来ます。

Voicyの中ではイケダハヤトさんの「仮想通貨ラジオ」が、仮想通貨カテゴリでは、1番の人気番組ですが、2番目に「仮想通貨・ICOについての議論」が位置しています。

音声メディアという新しい手法で仮想通貨の情報を発信する20代のお二人にお話を伺いました。

北爪聖也

Python・Rを使って、データの基礎集計から予測モデルの作成まで行なっております。noteにてデータサイエンティストとしての勉強日誌や日々の所感などを綴っています。

https://note.mu/hanawa11ify

元シェアハウスのルームメイトが始めたVoicy

年代によっては、2人の関係性が少しイメージしにくいかもしれない。興味深い事に、彼らは元シャアハウスのルームメイト。その関係性の中から、Voicyチャンネル「仮想通貨・ICOについての議論」は生まれた。

元々2人が知り合ったのは大学時代。2ヶ月ロサンゼルスに行くNPOのような団体で出会ったのがきっかけで、3ヶ月前までは、2人でシェアハウスをしていた。元々は、3人で住んでいた所だったが、1人が結婚して抜け、2人になったとのこと。 それまで数年間ほどルームメイトだったが、同棲の解消は、20代後半の男性が2人で住んでいると周囲から風当たりが強いそうで、流石にその視線に耐えきれず、関係を解消したのだとか。

2人は、これまで外に向けてずっと情報発信を続けていたというタイプでは無いそう。北爪さんは全くそのような経験は無い。のがっちさんは、学生時代には学生団体を立ち上げて、ベンチャーの社長講演会や企業人事に声をかけて特別説明会を開催する、という事をしていたが、それも学生時代の話。会社に入ってからは全くやっていなかった。

仮想通貨に興味を持ち始めたのはALISがきっかけ

北爪さんが仮想通貨に興味を持ち始めたのは、ALISがきっかけ。2017年の6月頃だ。そこから勉強を始めて行こうと、のがっちさんを誘った。北爪さん自身は、データ解析の仕事をされていて、そもそも技術的な側面から仮想通貨に面白さを感じていった。投資的な側面では無く、技術的な知識もある上での興味を持ち始めた。

2人がVoicyを始めたのは2017年12月1日から。このタイミングは、インフルエンサーが続々と参入してくる前のタイミングとなる。Voicyには審査があって、一度音声番組を作って、運営側からOKが出来ないと配信用のアカウントは作れないようになっているとのことだ。 現在だと200名の応募の中で3名しか通らないようになっている。

仮想通貨にしても、Voicyにしても世間で注目を集める少し前に参入出来ているという点で、情報感度の高さが伺える。

Voicy

iOS、Android、Webサイト、スマートスピーカーでいつでもどこでもニュースやトークが聴ける、ボイスメディア。「仮想通貨・ICOについての議論」の他にもイケダハヤトやはあちゅうなど、ネット業界のインフルエンサーが積極的に音声コンテンツを配信している。

仮想通貨・ブロックチェーンの魅力は?

20代である彼らが仮想通貨に魅力を感じるのは、やはり最初の非中央集権というコンセプトの部分がベースにある。ミレニアル世代というキーワドと共に、現代的な価値観と極めて親和性が高そうという話が非常に興味深い。

北爪さんがICOのプロジェクトに関しては可能性を感じているのは、今ある問題に対して、これまでに無い解決手段が出てきているという点。のがっちさんはブロックチェーン以外にもAIやIoT、VRと言った新しい技術には興味ある。ただその中では、世間からは仮想通貨・ブロックチェーンの注目度が高いから、情報を配信する対象としては選択しているという面もあるそうだ。

注目度という点はこれは仮想通貨に関してはどんどんプレイヤーが参加してくるし、どんな質の低いトークンでも、実際にユーザーが買える、実際に参加出来る。その意味で身近である点が大きいかもしれない。一方で、まだまだ敷居が高い点もあり、Dapps(ブロックチェーンベースのアプリケーション、ここではゲームアプリの例)だと、まずPCを開いて、Chromeエクステンションのメタマスク入れて、ETHをそこに送金してというのは仮想通貨に慣れていないユーザーには中々難しい。

非中央集権・GAFAに支配されない世界

仮想通貨に興味を持っているのはミレニアム世代が多いのではとい彼らは指摘する。特に非中央集権というコンセプトは魅力だそうだ。その理由としては、今の状況だと、GAFA(Google・Apple・Facebook・Amazon)が強すぎて、そこに対抗出来る企業がいない。彼らが持っているデータが競争優位性なので、絶対勝てない。それに対して、イーサリアムはそもそも買収出来ないし、そうゆう仕組みは新しい。但し、コンセプトの部分では、今は政府がデジタル通貨を発行するなどの状況が出てきており、思想的には中央集権の部分に逆戻りしている側面もある。

もう一点、おじさん達では無く、若者が興味を持つ理由として、

「おじさん達は、非中央集権に興味は無いと思う。なぜなら、おじさん達は、中央集権の中で権力を握っている側だから。」(のがっちさん)

ということもありそうだ。

のがっち

内資系戦略コンサルティング会社の下っ端。聖也さんの教えを請いながら仮想通貨とそれを支えるブロックチェーン技術を勉強中。

これからの20代の生き方

「シェアリングエコノミー・非所有などに代表されるが、概念的に「分散」が広がっているのかもしれない。その中の一部がブロックチェーンや仮想通貨もあるという捉え方も出来る。」 (のがっちさん)

そもそもシェアハウスで暮らしていた彼らは、そこまで物欲は無く、家が欲しいというのも全く無いと話す。北爪さんは家具も持ちたくないから、再度シェアハウスからシェアハウスに移ったそうだ。但し、欲しいものは無いけど、「演技をまたしたい」や「動画(映画や映像作品)を作りたいとう気持ちはあり、動画を作るのにもお金が掛かるので、そのためにお金が欲しいと言う。消費の為のお金では無く、生産の為のお金が欲しいという価値観だ。

モノ消費からコト消費へという文脈もあるが、もしかしたら、承認欲求から表現欲求へと彼らの世代の根本的な欲求自体にもこれまでとは違ったものがあるのかもしれない。

会社を定年退職するとやる事が無くなってしまうというような世代から、働き方改革でそもそも仕事以外の時間を持つようになった世代はライフスタイルにも違いが出てくる。

今のように、仮想通貨の勉強や、それをVoicyでアウトプット出来るようになったのは、仕事以外の時間が出来るようになったのが大きい。彼らも電通事件以降、残業時間が減り、Voicyもやれているが、ちょっと前だったらやっている余裕は全く無かったという。そんな時間など全然無いくらい働いていたそうだ。社会人の前半は、それこそ仕事以外のことは出来ていなかったという。

キャリアとしても会社員として働いているだけでは、AI時代に生き残れるようなスキルが身につくのか疑問が残る。これまでのように毎日残業をしているような状況だと仕事以外の経験が積めず、会社に入ったら終わりかもしれない。単純に働きたく無いという話では無く、働き方も求められるものも変化してく、求めるものも変わっていく中で、仕事以外のことに時間を使っていくのはむしろ当然のように必要になっていくのかもしれない。 価値観の変化や副業解禁など、単純な理由だけでは無い複合的な要素が彼らの活動からは垣間みえてくる。

承認欲求ではないアウトプットの欲求

現在の2人の知名度は今のところ実感としては殆ど無い状態である。そもそもVoicyユーザーも10人に1人程度で、仮想通貨をやっている人間も10人に1人程度となると、100人に1人位しかいない計算になるので、周りから「Voicyやってるよね!」というなコトは殆ど言われない。また、ちょっと有名なBloggerさんだと仮想通貨関連のイベントに行くと声をかけられるとは違いそう。周囲の人にも知られていない。

そんな中でも1年は続けようというのは2人で決めていることだ。現状で言えば、自分たちの勉強がメインの目的だが、技術面にもしっかり精通し、信頼性の高い情報を発信していきたいという思いも強い。その先に何かは具体的な考えていないが、仮想通貨自体が先が見えないので、逆にどうなるのかをそのプロセスを含めて楽しんでいる。

「3年後とかだとブロックチェーンの仕事しているかもしれません。」(北爪さん)

アウトプット、「課外活動」を続ける為のコツ

Voicyの他のチャンネルでも1人では無く、なんとなく複数で話しているケースは特に若い世代では多いように見受けられる。30代以上になってくると、いかにも「ラジオ」といった体裁で、メインの方がいて、そこにゲストが参加するという形になる。承認欲求がベースのモチベーションになるのか、誰かと何かする「つながり」がモチベーションになるのか、この辺りには少し違いがありそうだ。

彼らが特にそういった継続力が高いわけで無いが、Voicyは週数回の更新を仕事をしながらも続けている。だが、1人で文字を書くBlogは続けるモチベーションが湧かないそうだ。実際に北爪さんもBlogは一応書いているが、そんなに頻繁に更新しているわけではない。

一方で、VOICYに関しては、「手軽に出来る」「2人でやっている」が継続の鍵になっている。

2人で収録する時間さえ確保してしまえば、更新するコト自体は出来る。気軽に収録するという意味では時間を確保しても記事が完成しない場合もあるBlogよりは手間も掛からない。必ず、会って収録しているわけでは無く、Facebook通話でも収録できる。また、それぞれがインプットを持ち寄ってアウトプットをするという形式にしているのも大きいそうだ。

彼らがこれから何年もずっと同じことを続けているのかは、現時点ではわからない。ただ、仮想通貨との関わり方としては、誰でもやろうと思えば、出来る・続けられるヒントが彼らの話の中にはあった。

シェア
COINJINJA編集部(@coinjinja)です。主に仮想通貨、ブロックチェーン関連のニュースをたびたび配信していきます。立ち位置は仮想通貨界隈の大衆紙、毎日正確な情報を適切に配信するというスタンスではありませんのでご注意下さい。
  1. トップ
  2. ブログ
  3. 「仮想通貨×音声メディア:Voicyで仮想通貨チャンネルを運営する」(Crypto Stories vol.1)

こちらもおすすめ